kiss me PRINCE!!
その言葉で、あたしの中のなにかがぶち切れた。
あたしは立ちあがり、無言で部屋を出た。
けれど次の瞬間、ヒロにあげるチョコレートが入った箱を握りしめて部屋に戻ってきていた。
部屋とキッチンを往復する間の意識が飛ぶほど、自分自身を制御することができない。
湧き上がる衝動に素直に従って、あたしはそれをヒロに力いっぱい投げつけた。
「あたしのチョコじゃダメなわけ!?」
17年分の想いとともに。
「あたしはヒロのなんなの?」
キライ。
嬉しそうに亜美の話をするヒロなんて。
「あたし以外からチョコもらわないで!」
大キライ。
嫉妬に狂ったまま告白しちゃうあたしなんて。
「あたしはずっと、ヒロだけ好きだったのに!」