kiss me PRINCE!!
あたし、こう見えてもお菓子作り得意ですから。
一応、女の子らしさをアピールしておく。
ほらあたし、図体デカいし。
甲高い声でキャーキャーする方でもないし。
唯一誇れる乙女な部分ってわけ。
「っていうか亜美、お菓子作れるの? 大丈夫なの?」
あたしは顔をひきつらせる。
クリスマスの、あの亜美の行動を思い出したら、おぞましいモノが出来上がる気がする。
もちろん、誇張してるわけじゃない。
だから、あたしは食すのを遠慮させていただきたい。
ごめん、亜美。
あたしは命が惜しいです。
「大丈夫。練習するから」
そういう問題かな。
亜美は自己流にアレンジして変なものを入れたり、レシピを無視するようなことはしないだろうから、たぶん食べられるものができるだろう。