kiss me PRINCE!!
心の中の応援団

あたしはドアを開けて、部屋の外に出かけていた。

だけど、そのドアを背後からヒロが手を伸ばして閉めたから、あたしの顔は閉まるドアに打ちつけられたのだ。


「ごめん。顔、大丈夫?」

「バカ、痛い」


ヒロの声が、頭のすぐ上あたりから聞こえてくる。

この声は心臓に悪い。



って、あたしどうして普通に喋ってるの!?


顔の痛みがおさまってくると、途端にまた逃げ出したい衝動に駆られる。

だって、そもそもあたしはヒロの前から居なくなりたくて部屋を出ようとしたのに。


もがいて腕の中から脱出を試みようとした瞬間に、ヒロの拘束が強くなる。

ガチガチに緊張した今のあたしの腹筋は、いつか触れた亜美のもの以上の固さであることは間違いない。

そんなどうでもいいことを考えていないと、この状況を処理できなくて頭から煙が出そうだ。

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