kiss me PRINCE!!
風が窓を揺らす音が、やけに耳につく。
何分経ったかもわからない。
けれどあたしはまだ、ヒロの瞳も見られず、その質問に答えることもできないままだった。
『さっきの勢いはどうしたの?』
あたしの中のあたしが問いかけてくる。
それにも答えられない。
意地っ張りで、素直じゃなくて、弱虫で、臆病なあたし。
いつも言いたいことは言っているのに、一番に言いたいことはどうして言えないんだろう。
こんな自分が嫌だとか思いながらも、変わる努力を怠ってきたあたしに、想いを告げる資格はないかもしれない。
『だったら、今が変わるチャンスじゃないの?』
また、心の中のあたしが語りかけてくる。
『今年ダメだったら、もう一緒にいられないって自分で決めたんじゃない』
これが、最後のチャンスだよ。
その声が、はっきりと確かに聞こえた。