kiss me PRINCE!!
「あ、あたしは・・・・」
声がかすれている。
喉が異常に乾いていて、唇が震えているのがわかる。
それでも、言わなくちゃ。
変わりたい、変えたい。
自分自身と、今まで変えられなかったこの関係を、あたしの手で。
亜美のことは今はもう、気にならなかった。
これは、あたしとヒロの問題だ。
目をぎゅっと瞑って、もうどうにでもなれ、と思った。
「ヒロが好きなの!」
さっきの、勢いに任せたのとは違う、正真正銘のあたしの告白。
生まれてから今までのあたしの想いをすべて伝えるには、こんな短い言葉じゃ無理だけど。
それでもあたしにとっては、身体中から勇気を振り絞って口にした言葉だった。
なにも言わないヒロ。
その沈黙は拒絶を表しているのかもしれないと考えたら、視界が涙でぼやけてきた。
今まで一緒に過ごした時間が、走馬灯みたいによみがえってくる。