kiss me PRINCE!!
「嘘じゃない」
「冗談でしょ?」
「嘘じゃないって」
「だから嘘はやめてよ」
「本当に、嘘じゃないから」
「本当だとしても、嘘って言ってよ!」
ついにあたしは、意味のわからないことを口走りはじめてしまった。
そんなあたしに、ヒロが呆れたように息を吐く。
ため息と言うほど重くもなく、呼吸だと思えるほど軽くもなくて。
「あのさ、結局、沙世は俺のことが嫌いなわけ?」
もう開き直って、ためらわずに首を横に振った。
「だったらどうして、嘘って言えなんて言うんだよ」
ヒロの意見は正しい。
あたしの発言がめちゃくちゃなだけで。
「だっ・・・なんで、ヒロが、あた、あたし・・・・」
舌がもつれて、口がうまくまわらない。
それでもヒロはあたしの言いたいことをちゃんとわかってくれた。
「俺、沙世が好きだよ」