kiss me PRINCE!!

頭の中で、ダイナマイトが爆発した・・・ような気がした。


直球すぎるその言葉に破壊されたあたしの頭は、何度もそれをリピートしはじめる。

吹き飛ばされた思考回路をなんとか正常に繋ぎ直し、災害テロップのように頭の中を流れる言葉の意味を拾っていく。


「ほ、ほんと・・・・?」


ヒロが頷くのを、呆然として見ていた。

混乱しすぎて、あたしの小さくて中身の少ない脳じゃ容量オーバーだ。


でも、わかるのは。

あたしたちは、両思いだっていうこと。


「じゃ、今日から沙世は俺の彼女だから」


こっぱずかしい宣言をさらりとしてくれたヒロに、今度はあたしが頷く番だった。


え、なんか、すごくあっさりしすぎてない?

あたしの一世一代の告白の結果がこれだよ?

振られた方が良かったとか、そんなことは思ってないけど、なんだか腑に落ちない。

釈然としない思いを抱えながら、視界の端に入った時計を見ると、もう日付が変わって数分が経っていた。




2月14日、あたしたちは幼馴染みから、彼氏彼女になった。


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