kiss me PRINCE!!

っていうか。

可愛いって得だ。

何度も言うけど。

あたしみたいに外面を飾って、お菓子作り得意ですってアピールして、そうやってわざわざ発掘しなくたって、可愛さなんて全身から溢れ出てる。



隙がないようで、ある。

完璧なようで、不完全。

そのギャップに、男が惹かれるのは当然だ。


亜美のことをいいなって思ってる男は、たぶん両手の指じゃ足りないと思う。

高嶺の花、って感じだから、あんまり誰も近づこうとはしないだけで。





女の子には、いつか気づく時がくる。

自分が一握りの、選ばれたお姫様じゃないことに。

あたしだって、とっくの昔に気がついてたよ。



亜美が白雪姫なら、さしずめあたしは七人の小人。

小人って言えるような可愛いサイズではないけど。


亜美がシンデレラなら、あたしはただの町娘。

話の題材にもされない、平凡な。


いつだって綺麗で可憐なお姫様を引き立てる脇役。

主役には、どうやってもなれない。

そんなことわかってるよ。

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