kiss me PRINCE!!


そのときあたしは、心の中のすみの方がグレーになってきてるのに気がついた。

でもだんだんそのグレーがほとんどが黒に近いくらいに濃くなっていく。

その理由を、あたしは十分すぎるほどわかっている。




亜美に嫉妬してるだなんて、そんなこと。

自分が一番、よくわかってるよ。



最初は、うらやましいって思ってただけなのに。

羨望が、いつしか嫉妬にかわってた。

憧れが、妬みへと歪んでいった。



大好きなのに、一緒にいるのが嫌になることがある。

その笑顔を憎いと思うことがある。



あたしは、こんなに醜い。

せめて亜美がものすごく高飛車で嫌味なヤツだったら嫌いになれたのに、って。

そんなことを考えてる自分が一番、大嫌いだった。


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