kiss me PRINCE!!
「じゃあ亜美は、ヒロと手を組みながらあたしの協力もするって言ってたわけ?」
どうしても、亜美を非難するような口調になってしまう。
しかも考えてみれば、亜美はあたしに半ば強制的に協力させられていたようなものだ。
結局、あたしがいけなんだ。
そう気づくと、一気に気持ちがしぼんでいく。
ヒロにも亜美にも当たって、あたしって最低だ。
自己嫌悪のスパイラル。
どこまで転げ落ちても止まることのない、錆びついた螺旋階段。
こんな時にもあたしは、自分が膝を抱えて丸くなって、でんぐり返しのようにごろごろと階段を転がりながら下りているのを想像してしまう。
だからシリアスになりきれないんだってば。
そんなあたしを、ヒロの言葉が呼び戻す。
「言っとくけど、亜美ちゃんが沙世にも協力してたことは、今初めて知ったんだよね」
それはつまり、あたしの挙動を亜美がヒロに伝えていたわけじゃないっていうこと。
だったらさっきの、全部知ってます、みたいな顔はなんだっていうのよ。