kiss me PRINCE!!

ヒロはいつでもあたしの何歩も先を歩いている。

追いつけなくてあたしが焦って走り出しても、ヒロは飄々と笑いながら、決してあたしに追いつかせない。


だから不安になるのに。

俺の隣は沙世じゃ無理だよって言われているような気がして不安になるのに。



そんなことを考えているあたしを置いて、話は進んでいく。


「ヒロくんの共犯って言っても、私がしたことはヒロくんと仲良さそうに話すことくらいだったんだけどね」


ちょっと待って。

それって。


「じゃあ最近、前にも増してヒロが亜美にベタベタしてたのは・・・・」

「俺の作戦だったってわけ」


してやったり、という顔でにやにやしているヒロを、今度こそ本気で殴りたくなった。


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