kiss me PRINCE!!
「そんなことのために、あんたたち手を組んでたわけ? 笑っちゃうわよ!
いい? あたしはあたしなの。亜美は亜美。あたしたちは友達なんだから、あたしは亜美に劣等感なんて持ってないわ。勝手に勘違いして、計画どおり、みたいな顔しないでよね」
本当にあたし、可愛くない。
意地っ張りで、素直じゃない。
強がっているのが丸わかりの、この言葉。
あたしにはこれが精一杯。
それがわかっているのか、ヒロも亜美もなにも言わなかった。
そういう以心伝心、みたいなところも少し気になるんだけどね、なんて。
それだけは絶対に言わないけど。
「ほら、あと2分でHRはじまるから、教室帰るわよ! こんなとこで話してて遅刻扱いされたら、やってられないんだから」
そう言ってあたしは駆け出した。
後を着いてくる二人分の足音を聞くあたしの心は、羽が生えたみたいに軽かった。