【短編】だからそれは心の中に
心臓がバクバク言ってる。
まだ落ち着いてないと思った。
「分からない」
不意に涙が零れた。
拭ってくれた凜はいない。
もういない。
凜の顔が頭に浮かぶ。
好きだったのかもしれない。
大切だと思った。
「でも、手に触れた」
りんごから伝わった温度よりずっと温かい、動かない手。
「かけがえない存在だって」
まだ落ち着いてないと思った。
「分からない」
不意に涙が零れた。
拭ってくれた凜はいない。
もういない。
凜の顔が頭に浮かぶ。
好きだったのかもしれない。
大切だと思った。
「でも、手に触れた」
りんごから伝わった温度よりずっと温かい、動かない手。
「かけがえない存在だって」