何も知らないあなたへ
「……邪魔」

キスの合間
そう言って洋介は

この日の為に纏った服を
一つ一つ手早く剥ぎ取ってゆく

わたしの手も然り


あっという間に全てを剥ぎ取られた洋介は

「誰で練習したんだ…?」

そんなこと思ってもないニヤついた顔で
嫉妬とも取れる言葉を寄越してくる

どうでもいいくせに…

声には出さずその口を塞いだ


気付けば下着姿

洋介は気付いているだろうか



『俺の女に身につけてほしい色』


出会って間もない洋介から聞いて
でも完璧な【俺の女】になれないわたしは
どうしても身につける事が出来なかた


その色を初めて纏ったわたしの気持ちなんて



きっと洋介には分からない







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