短編■ fashion
それに気付いてから、着せ替え人気みたいに、色んな服を着るのが楽しかった。
例えば、砕けて言うなら“お嬢さま”な格好を意識した女の子らしい…
膝丈の白いスカートにミントグリーン色のアンサンブルのニット、踵の高いパンプス――…を合わせた。
なぜ自分はこの服を着ているのか。
この感じの服だと男女限らず“清楚だ”と言われておしとやか扱いをされた。
“男ウケ狙っている”かもしれないのに。それが分かる人からは少し冷たくされた。
重ね着ふわふわみたいなもの。
ふんわりしたワンピースにフリルのキャミをチラ見せして、ざっくりしたカーディガンを羽織り、ぺたんこブーツを合わせる。
すると、たちまち“癒し系”だと言われた。男女問わず話し掛け易いと。
“わざと隙を作っている”かもしれないのに。それが分かる人からは腹黒だと冷たくされた。
クラブに行く時に、ベタにベアワンピにパンプスを合わせれば、たちまち“強そう”だと言われ…
大人しそうな子からは避けられた。
不思議じゃない?私自身は変わらないのに、勝手に相手が私のキャラを変更するの。
面白かった。
どんな服を着るかにより、何故か内面、性格のイメージが他者に影響を出すらしい。
凄いの、全然周りの対応が変わる不思議。
イメチェンって言葉を尊敬したよ、私。