I will you...
『今の誰?瑞稀。』
歩は唐突に聞いてきた。
いつもなら気にしないはずなのに。
『え?料理部の先輩だよ?』
『あ、そう。ってか、英語の宿題やった?』
『忘れたの?ちゃんとやりなよ~・・・。』
『昨日は部活で疲れてたからさ~。』
歩はいつも宿題を忘れる。
だからいつも私が見せてあげてる。
『どうせ、ゲームしてたんじゃないの?』
『んなわけねぇだろ!』
こんな歩が好きだった。
歩と私は1番後ろの席で隣り同士。
家も隣り同士で席も隣り同士なんて・・・。
なんて偶然なんだろ。
『歩!アンタ、詩織先輩と話せたんだって?』
そんな所に希美と侑梨が入ってきた。
『なんで知ってんだよ!』
『瑞稀から聞いたの。』
私と歩と希美と侑梨はいつも一緒。
席も近いし。
『あ~ゆ~む~!!!!!』
あ、1人忘れてた。
『げっ、直哉!ぐはっ』
歩の親友、山田直哉。
1組きっての遅刻王。
『今日はギリギリだったね、直哉。』
『おぅ!篠田に怒鳴られることはない!』
篠田とは、このクラス担任。
とにかく生活面にはうるさい。
『お~い!席着け~!』
そんな話をしてる時に篠田がやってきた。