鏡越しの彼

生きてた頃の手の温もりはもう、戻ってこない。


『でも、二度目はないよ?……もし、また襲われかけたら………この先は分かるよね?』


冷たい笑顔で問いかけてくる朔斗に、あたしは違和感を覚える。


心まで冷たく、温かみのない冷血そのものに為りつつあるんだ、と悟った。





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