鏡越しの彼

暫くは葬儀や色々なことに追われた。


休む暇もないくらい大変だった。


朔斗のことはテレビや新聞で大々的にとは言わないけれど、それなりに取り上げられた。


そのたびに、あたしは胸が締め付けられた。


朔斗が恋しい。


もう永遠に会えない、あたしの恋人。



だから、あの日鏡越しに見た朔斗らしき人影の存在なんて、全く頭の片隅にもないくらい忘れていた。





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