鏡越しの彼

「俺、諦めないからね。
美姫さんはきっと俺の事を好きになる」


妖しげな笑顔を浮かべながら奏斗くんはあたしの顎を捕えた。


「何を根拠にそんな事言うの?
……離してよ」


あたしは奏斗くんの腕を払おうとした。


「離したくない」


男だ。


そう思った。





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