鏡越しの彼
あたしが、晩御飯を作って待っていたのに、いつもの時間に朔斗は帰って来なかった。
朔斗の好きなオムライスをせっかく作って待っているのに。
朔斗はいつも7時には帰ってくる。
朔斗はこの時間より早く帰ってくることはあっても、遅く帰ってくることは決してなかった。
時計の短針は8時を示している。
最初は、浮気でもしているんじゃないかと疑った。
誰にでも優しい朔斗。
爽やかで、太陽みたいに明るい笑顔を見せてくれるの。
あたしもそんな朔斗が好き。
朔斗みたいな人に限って浮気なんてする訳ない。
でも、不安なの。
そんな風に考えていたら、電話が鳴った。