鏡越しの彼
「あたしは、朔斗の婚約者の工藤 美姫[クドウ ミキ]と申します。あの…………ストーカーっていうのは、どういうことですか?」
「事件の詳しい内容は署で話しますので、遺体が田中さんなのか、確かめていただけますか?」
「はい。では今すぐそちらに伺います」
場所を聞いてから電話を切った。
漠然としたことしか分からない。
絶対朔斗な訳ないよ。
いきなりすぎる。
絶対朔斗じゃないと信じて、身支度を済まして部屋を出た。