鏡越しの彼

鼻の奥が少しツンとした。


やっぱりあたしは非力なんだ。


男の奏斗くんには力じゃ勝てない。


あたしは抵抗するのを止めて、黙って歩きだした。


「美姫さん?…もうちょっと抵抗するのかと思ってたけど……。やっと大人しく一緒に帰る気になったんですね」





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