瑠璃色の見せた奇跡


何かを考えるより早く、シバは後ろからそっと百合を抱きしめていた。



百合を守ってあげたい……。




百合は一瞬驚き、シバの顔を見つめたが、



『ありがとう。』


そう言って、目を閉じた。


二人の間を爽やかな風が通り抜けた。


何も言葉を交わさずとも自分の気持ちを汲み取ってくれるシバ


百合にとっては唯一、この世界で頼れる人間。



二人が恋に落ちるのは時間の問題だった。




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