瑠璃色の見せた奇跡
時を同じくしてクロウの部屋には、夜も更けていたにも関わらず、ローディットが来ていた。
『やはり、クロウ様も感じますかな?』
『えぇ、森の精霊達が騒いでいるような。』
『いつもと変わらない夜なのに、何やら胸騒ぎが、気のせいかと思ったのじゃが……。』
『私はローディットと違って、なんとなくしかわからないですが。』
『何事も起こらないといいのじゃが……。』
冷めた紅茶を一口くちに含み、窓の外に目をやるローディット。