瑠璃色の見せた奇跡
『ローディット、百合様の件どうしたらよいのだろうか?私には説得するほかないと思うのだが、百合様は承知して下さらないだろう……。』
クロウは毎日このことばかりを考えていた。
頭を悩ませていたのはローディットも同じだった。
『ただお腹のお子は、日に日に大きくなっていきますからね、なんとか手遅れにならないうちになんとか……。』
少し開けた窓の外で
−ガサガサッ−−
物音がした。
元々、木々が生い茂っている庭先ゆえに、二人はさほど気にすることはなかった。