瑠璃色の見せた奇跡
6
そしてある日の夜、大変な事件が起きることとなる。
メイドによって食卓にスープのお皿が配られた時だった。
皆静かにスープを啜っていた。
百合がスープスプーンを持とうとして手を滑らせ床に落としてしまった。
メイドが拾うより早く、自ら身をかがめ、スプーンを拾おうとした拍子に、どういうわけか、スープ皿までひっくり返してしまった。
食器の割れる音が響き、『怪我はありませんか?』と皆、百合を気遣う。
『えぇ……大丈夫です。ごめんなさい。』
慌ててメイドが床に散らばった破片を片付けはじめる。
−みゃあぁ〜……−
百合の足元でうずくまり寝ていたミケが起き、小さな鳴き声を上げた。