ヌードなアタシ
『わたしは、これ!…じゃーん』
奈緒は鍵盤ハーモニカを見せた。
『懐かしいよね…
押し入れをひっくり返して探したの。
音、大丈夫だったし、完璧!』
『俺、兄貴のウクレレ借りてきた。
これで、準備はOKだな』
『曲は決まってるの?』
アタシは2人に聞いた。
正直なところ…
今日、朝のうちに
『やっぱり出来ない』
と、断ろうと思ってた。
でも、
ここまで気合いの入ってる
2人を見てたら…
断りにくい…
って、いうか、出来ることなら
手伝ってあげたいとまで思ってしまう。
もう…仕方ない。
アタシは覚悟を決めた。
『もちろん。
楽譜おこしてきたよ。
昼休みチョットやってみようよ』
奈緒はバッグから楽譜
を取り出して
アタシと卓己くんに渡した。