ヌードなアタシ
『ねえ、こまち…』
ケイちゃんはサラダと取り皿を
アタシに渡す。
『今日ね、事務所に
モデル事務所の人が来たの…
あのジーンズの写真見たって。
そこの社長さんが
メーカーさんの知り合いだったみたいで…
こまちに合わせて欲しい
って、言われちゃった…
どうする?』
アタシは熱いパスタを
たっぷりとフォークに巻き取り
口に運ぶ。
『どうするって…?撮影?』
『あはは、違うわよ、もう!
スカウトよ。
こまちはモデル事務所に所属して
ファッション雑誌とか
うまくいけばファッションショーとか
そーゆーのに出てみたい?』
アタシは手を止めケイちゃんを見る。
『そこの事務所は
ファッション業界じゃ
けっこうチカラあるみたいだし
本格的な仕事を受ける事が出来るわ』
ケイちゃんは
平然な顔つきで
落ち着いてるように見えるが
アタシの僅かな反応をも
見逃すまいと
注意をむけているのが伝わる。
『…アタシ、
ケイちゃんの手伝いでいいよ。
それに…ウチの学校、
校則厳しいし…』