ヌードなアタシ

大介さんは古い一軒家を借りて
1Fを事務所2Fを住居にしている。

玄関の脇に自転車が置いてあった。

大介さんは自転車は持っていない。



もしかしたら…
瞬くんが来ているのかもしれない。

そう思って玄関をあけた。



鍵はかかっていない。

こげ茶の革靴の横に
白いスニーカーがあった。



『大介さーん、こまちですーっ!』


声をかけ、返事は待たずに
家にあがった。

階段を駆け下りてくる足音…


『こまちちゃん?』


瞬くんが階段横の壁から顔を出した。


『ケイちゃんがね、打ち合わせで…
お見舞いに行くの遅くなるからって

お薬と、食べ物届けて欲しいって
電話が入ったの…』



『そっか…わざわざ、ありがとう。
実はオレも、兄さんから連絡あって…

「ケイが来れない…死にそうだ
助けてくれっ」って…』













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