ヌードなアタシ

『これ…?』

あたしは右頬にかかる髪を
指でつまんで見せた。


『日本人の顔は
黒い髪が似合う作りになってるって
ケイちゃんが言ってた。

人間、自然のままがイチバンだよ。

よく見かけるでしょ?
髪だけ金髪で、
目も、まつ毛も、まゆ毛も黒いの。

なんか違和感あるし…

それに、
一応、学校も茶髪禁止…』


『あはは…いまどき、
しっかり校則守ってる生徒なんて
いないんじゃない?』


『しっかり守るつもりもないけど
あえて、違反することもないもの。

あ、ごはんきました』


運ばれてきた食事を前に
小さく『いただきます…』と言い、

アタシは割り箸を割る。




『長い黒髪なんて
あまり見かけないから…

逆に新鮮で印象的だね』


瞬くんは、
香ばしく焼けた肉を頬張り
『ん、うまい…』とつぶやく。



『それに、
すごく似合うよ。
本当に日本人形みたいだ』




あたしは箸をとめ
瞬くんを見た。

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