ヌードなアタシ

ケイちゃんはもう帰っていた。

『こまちぃ、着替えたら手伝って』

キッチンから声がかかる。


急いで着替え、机の引き出しから
キレイにラッピングされた
万年筆を取り出した。


瞬くんへのバースデイプレゼント。




昨日の深夜…


『明日、瞬くんの誕生日なんだって!
大ちゃんに聞いたの。
こまち聞いてた?』


アタシと瞬くんが付き合い始めた事を
何となく察知し始めたケイちゃんは
意味ありげにアタシを見て言った。


『うん。誕プレ買ってあるよ』


ちょっと…恥ずかしいケド
アタシはわざと普通の顔して言い返す。


『あら…明日渡すの?』


ケイちゃんはニヤニヤしている。


『ううん。
学校祭見に来るって言ったから…
そのとき』


『あらぁ!それは駄目よ。
そーゆーモノは誕生日当日に渡すもんよ…ちょっとまってて』


携帯を取り出す。


『あ、大ちゃん?
明日、ウチで瞬くんのお誕生会しない?
…うん!じゃ、よろしくね♪』



パーティは強引に決まった。

きっと瞬くんは今夜
大介さんにいきなり拉致されてやってくる…。

ケイちゃんに感謝。
今日は会えないと思っていたから…
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