ヌードなアタシ

来場者の数はどんどん増えていく。

午前中と午後に行った3人バンドの演奏は
予想以上の高評価で
演奏中は多くの観客人で溢れた。


最終演奏のまえに、メールが入った。


『あ…瞬くんだ!
校庭に来てるって…
ごめん、奈緒!ちょっと見てくる』



アタシはカエルの着ぐるみのまま
校庭に飛び出した。

小さな子が『かえるちゃん』
と、言って指を差す。

恥ずかしいのは、だいぶ慣れたけど
1人でこの姿は、さすがに目立つみたい。


『こまちちゃん?』


呼び止められて振り返る。

瞬くんが笑ってる。


『あはは、かわいい!
すごい似合ってるよ』


恥ずかしくて顔が、
かぁ〜って熱くなるのが分かったけど

それ以上に、
瞬くんが来てくれたのが嬉しくて
アタシは走り寄った。



『いらっしゃい。
来てくれてありがとう!
もうすぐ演奏が始まるの…見ててね』


『うん、頑張って!
演奏終わったら、校内案内してくれる?』


『うん、もちろん!』


『はいはい、お2人さん!
盛り上がってるトコ悪いけど
大事なモン忘れてるぜ』


いつのまに来たのか
卓己くんと奈緒が後ろにいた。



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