ヌードなアタシ
『あーっ…スミマセーン!
僕ら1年生なもんで…
緊張しちゃったみたいで…
告知演奏はこれで終わります。
みなさーん、
ライブ見に来てくださいねー!』
卓己くんが、なんとかその場を取り繕う。
アタシは何も言葉が出ないまま
奈緒を見つめる…
観客がバラバラといなくなり…
残ったのは、
着ぐるみを着たアタシ達3人。
そして…瞬くん。
『なにやってんだよ、奈緒…』
奈緒は泣きやんでいたが、下を向き
アタシ達を見ようとしない。
『松本さん…どーゆー事?
なんで、あんたが狼狽えてんの?』
瞬くんは卓己くんを見たが
力なく視線を落とし…アタシを見る。
何か言おうと口を開きかけ…
また視線を落とし黙ってしまう。
『あんたさ、桜木の彼氏なんだろ?
まさか奈緒に手ぇ出したとか?』
瞬くんは、何も言わない。
『信じらんねぇ…』
卓己くんは鋭い目つきで瞬くんを睨み
奈緒に視線を向ける。
『奈緒、おまえ自分のやってること
わかってんの?
演奏ぶっ壊して、
公衆の面前で親友の彼氏見て泣いて…
ドロドロの三角関係かっつーの!』