ヌードなアタシ
『行こう…桜木…』



卓己くんに付き添われて
誰もいない教室に戻る。

校庭から
にぎやかな、ざわめきと
楽しそうな笑い声が聞こえる。

遠い世界…



アタシは泣きながら制服に着替た。


考えたくないのに
勝手に頭の中に、2人が浮かぶ。



初めて、奈緒と瞬くんを会わせた日、
奈緒と瞬くんが一緒に帰った夜…

2人からメールが来なかった…

送るだけじゃなく…
一緒にいたんだね、きっと。



あれから…奈緒は
放課後、卓己くんと練習する事より
瞬くんに会いに行く事を選んだんだ…


奈緒からの…
瞬くんからの…
メールが減ったのも、そのせい。


あ…
瞬くんの誕生日の夜…
瞬くんに会うって言ったら
奈緒、驚いてた。

…そっか
誕生日は2人で過ごす予定だったんだね…

泣き腫らした目は、
誕生日の夜を横取りした
アタシのせい…だったんだ。


違和感を感じていた事が
自然に繋がる。


瞬くんと奈緒は
アタシの知らない時間を共有して
お互いを見つめ合っていた



2人して…ひどいよ…




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