ヌードなアタシ
憂鬱な気分と
重くボンヤリとした頭は
熱いシャワーのお陰で幾分スッキリとした。
濡れた髪にドライヤーを当て
さっきより少し赤みを帯びた顔色の
アタシが鏡に映っている。
切り替えるの…気持ち。
今までだって出来ていたじゃない。
寂しい気持ちを
心のずっと奥の奥に仕舞うの。
本の世界に逃げ込んで
現実から逃避していた…あの頃みたいに。
ううん…違う。
逃げたりなんかしない。
アタシは逃げない。
振られて落ち込む惨めなアタシも
アタシなんだから…
今の自分を素直に受け止めて
現実を認めて…
アタシ、綺麗になってやる。
偶然会った時
瞬くんが見とれるくらいに。
アタシを選ばなかった事に
後悔するくらいに。
アタシは負けない
アタシは逃げない
鏡の自分に言い聞かせた。