ヌードなアタシ

面接室に入ると正面に長テーブルがあり
2人の男性と1人の女性が座っていた。


『失礼いたします』



思ったほど緊張はしていない。
すんなりと声も出た。



『こまちさん、16歳…
ほう…老舗デニムメーカーの
モデルも経験か…

上半身脱いでいるね、君は16歳…
親御さんは、この仕事
理解して頂いてるのかな?』


中央に座っている男性。
何かメモを取りながら質問する。




『実は、経済的事情で
私は親代わりの叔母と同居しています。

叔母はカメラマンで
そのジーンズの写真は
叔母のスタジオで撮ったものです』



『あっ、桜木さんか…知ってますよ』


横に座っていた男性が
何か耳打ちしている。



『そうでしたか…
ウチの仕事もお願いしていた様で
この業界も、案外と狭いものだ』



『長い綺麗な髪ね…』


ふっくらとした体型の
30代位の女性が話しかけてきた。


『撮影でショートにして欲しいと言われても平気かしら?』


冷たい口調…

アタシの反応を楽しむかのように
いちべつした。
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