ヌードなアタシ

『席まで一緒に行ってやっか?』


両手をズボンのポケットに入れて
窓から外を眺めたまま卓己くんが言った。


『それは…奈緒が心配だから?
それともアタシが心配だから?』


チラリとアタシを見て…
また、外に目を向けて答える。


『どっちもだよ!
まっ、俺は関係ないか…
おまえら2人の問題だしな』



『関係ない訳ないよ。
少なくても、アタシには…

今、卓己くんがいてくれてるから
孤独じゃないんだって実感出来てる』



『はは…俺なんにもしてやってねーし』



『こうして話しかけてくれてる。
気に掛けてくれてる。
それが凄く嬉しいよ、ありがとう…』


教室のプレートをじっと見つめて
席についてる奈緒を想像した。



『教室には1人で行く。

奈緒が1人で待ってるのに
アタシと卓己くんで行くのって
なんとなくフェアじゃないもん』



『おう…そうだな
2人で話した方がいいな』


『うん。
じゃ…行く…
ホントは死ぬほど行きたくない。
顔、見たくないないけど…行くね』


アタシは卓己くんにチョット笑いかけ
すぐ前方にある、教室に向かった。
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