ヌードなアタシ

後ろの入口から入る。

目に留まったのは奈緒の背中。

ほおづえをついているのか
頭を下げ背中を丸めてる。


『桜木さんオハヨ〜』


クラスの子に声をかけられた。

奈緒の背中がビクッと動く。

その子と二言三言会話を交わして
アタシは席に着く。



奈緒は固まった様に動かない。




『奈緒…おはよ』


背中にむかって話しかけた。
自分でも驚くくらい
落ち着いた優しい声で…


このまま知らん顔し通せるわけ無いし
無視し続けるのも
どうせ限界が来る。

それに

奈緒の姿を実際に目の前にして
顔を合わせたくないと思う以上に
違う感情が沸き起こってきた。


奈緒の気持ちが知りたい。


瞬くんに対してじゃない。
そんなの聞かなくても分かってるし。


アタシに対しての気持ち。


奈緒との出会いは
瞬くんとの出会いと同様
アタシにとってこの上なく大切な奇跡だった。


親友になれると信じてた。

奈緒も同じ思いでいてくれている
そう思っていた。


でも奈緒の出した結論は
アタシとの決別だったのだから…
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