ヌードなアタシ

いなくなればいいのに…かぁ…。


『奈緒の気持ちは、わかったよ』


激しい雨を、ぼんやり眺めて
ふと口に出た言葉は
気の抜けた口調の
奈緒の気持ちを肯定する言葉。


うん…そう、気が抜けた。


アタシと奈緒の間に、まだ少しだけでも
友情が残っていたら…

そんな事も考えて
自分はどうしたいのか
自問自答を繰り返してた。


奈緒がアタシに対して
こんなにも憎悪を剥き出してくるとは
正直思ってもみなかった。



ふつう…逆だと思う。

アタシが怒り
奈緒がオロオロするところだよ…



まったく…

泣き出した奈緒をかばい
授業までサボり
冷たい雨の降る中
足もと濡らして突っ立ってる。

オマケに

奈緒から言われた言葉は
いなくなればいいのに…

存在すら否定されて。


可哀想なのは
どう考えてもアタシだと思うのに。



奈緒は何も言わずに
じっと、うつむいているだけ。


途方に暮れたアタシは
灰色に、よどんだ空を見上げていた。



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