ヌードなアタシ

『ほんとか?
先方の指示通りにカットするから…
こまちの好みじゃない髪型になるかもよ。

長沢は猛反対するし…
俺も板挟みよ、参っててさ』



『そんな…
モデルのイメージだってあるんです。
言われるままなんて…
ウチの事務所ナメられます』


長沢さんが反論する。

社長は肩をすくめる。



『桜木さんは、
こまちの意志のままにって言ってた。
ホントにいいのか?』


長沢さんは、社長を見て
ため息をつく。



『はい。
プロの人が、アタシに似合う様に
髪を切ってくれるんですよね?

逆に、ちょっと楽しみなんです
どんなふうになるのか…』



『そうか!じゃ、先方に伝える。
助かるよ…ありがとうな』


長沢さんは不満げに社長を見ていたが
冷静な優しい顔に戻る。


『それでは、先方に連絡入れて
話を進めます。
こまちちゃん、お疲れ様。
明日も帰りには顔でしてね』


『はい、お疲れ様でした』


アタシは2人に頭を下げて
応接間を出た。
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