ヌードなアタシ

『卓己くん…今日付き合ってくれる?』


お弁当をつつきながら
断りを受け付けないくらい強い口調で聞く。


『なんだよ…おっかねーな。
愛の告白なら、もっと可愛く言えよ』


『奈緒の家に連れてって欲しいの』


『………。ふぅ。
行っても会えねーんじゃね?』


『それでも、いい。
このままって訳にはいかないもん』


『行って、何言うんだよ…
もう、アタシ気にして無いから
学校おいでよ!なーんてか?』


『…そんなこと言わない』


『んじゃ、どーすんのさ…
わざわざお互いの傷えぐり合って
さらに関係悪化させんの?』


『お互いの傷って…
傷つけられたのはアタシよ!
ふたりに…騙されてたの。

なんで奈緒が
傷ついてるみたいに言うのよ?』



卓己くんは、この状況を理解しているし
アタシの気持ちも分かってくれてる
そう思っていたのに…



『……平気だったら
こんなに休んだりしねーんじゃね?
もしかしたらさ、
奈緒にも何か事情があるのかもな…

いいよ、放課後。
一緒に奈緒ん家行こうぜ』



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