ヌードなアタシ

授業が終わり
アタシは長沢さんに電話を入れた。

今日は撮影など特に予定も無かったので
事務所に寄らずに大丈夫だった。


卓己くんと奈緒の家にむかう。


インターフォンに出たのは
奈緒本人だった。


『奈緒、おまえいつまでサボってんだよ』


いきなり核心をつく。


『わざわざ来たんだから、茶くらいだせ』


結構あつかましい。


『うん、入って…』


インターフォン越しの奈緒の声は
落ち着いた、いつもの声…
きっと、アタシがいると思っていない。


『行こうぜ…
奈緒ん家、両親とも学校の先生だから
日中はいないんだ』


そう言って門の扉をあけて
玄関までのアプローチを歩く。

手入れの行き届いた庭には
綺麗な花や青々とした背の低い木が
バランス良く、お洒落に植えられていた。


ドアをあけて玄関に入るが
奈緒の姿は無い。


『おじゃましまーす』


卓己くんが声をかけると
2階の方から声が聞こえた。


『こっちー、入ってー』


アタシ達は2階にあがった。
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