ヌードなアタシ
奈緒の部屋。
瞬くんは、もう、何度も来たんだろうな
そう思いながら
卓己くんの後に続く。
オレンジのカーテンとピンクのラグ。
ぬいぐるみが置かれた
女の子らしい可愛い部屋。
奈緒は勉強机の椅子に座って
こっちを見ていた。
戸惑った顔…
やっぱりアタシがいるとは
思ってもいなかった様子。
『メールしても返事こねーしさ
桜木も気になってるみたいだったから
連れてきた』
卓己くんはベットに腰掛け
アタシはラグの所に正座した。
『そろそろテストだし
このままじゃ、ヤバイだろ』
奈緒は下をむいて何も話さない。
『言いたい事あるんなら言えば?
俺も桜木も…さっぱりわかんねぇし。
なに逆ギレしてんだ?』
奈緒はゆっくり顔をあげて
アタシをチラリと見て視線を外す。
『こまちちゃんばっかり…ズルい』
みるみるうちに奈緒の目には涙が溜まり
ポロポロと流れ落ちた。
『こまちちゃん、髪切ったの…
瞬くんのせい?』
奈緒は、小さくかすれた声で聞く。
『日曜日にCMの撮影があって
仕事引き受ける条件がショートだったの。
だから、言われた通りの長さに切った、
それだけだよ』
アタシは抑揚のない口調で答えた。