ヌードなアタシ

『…で、
なんで、あたしばっかりズルいの?』


奈緒はため息をつく。


『髪…切っても、すごく似合う。
そーゆーところズルい』


はぁ?
何いってんの?


『卓己くんと私が仲良しなはずなのに
いつのまにか
卓己くん、こまちちゃんと仲良しだし』


『奈緒が勝手に抜けていったんだろ?』


卓己くんが呆れ顔で口をはさむ。



『ちがうもん。
学祭の用事で卓己くんに会いに行っても
桜木はどうするの?とか聞いてくるし…

ジャズ研の事だって
学祭終わったら辞めるって聞いて
がっかりしてたじゃん…

私、卓己くんの事ずっと好きだったのに
こまちちゃんは、あっさりと
卓己くんの気持ち持って行くんだもん』



『あぁ?
俺、別に桜木が好きとか奈緒が好きとか…
そんなんじゃなくて。

3人で音楽やんの楽しかったから、
もっと3人で一緒にいられたらって
そう思ってただけだし。
まぁ、今だって、そう思ってるし…』



勝手に妄想して暴走すんなよ…と
卓己くんはつぶやく。



『瞬くんも…
こまちちゃんのこと、大好きだって…

でも、こまちちゃんは
モデルの仕事で忙しいから…
仕事の事で頭いっぱいで瞬くんに
気持ちが向ききれて無いかもって心配してて

そんな相談に乗ってるうちに
だんだん私、瞬くんの事
好きになってきたみたいなの』
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