ヌードなアタシ

『瞬くんから話を聞いたら
こまちちゃんとは、デート1回だけ
キスもしてないって…

私とキスすれば
私のこと好きになってくれると思った。

でもね、キスしても、私は2番目…

いっぱいキスすれば
いつか私が1番目になれると思ったから
いっぱいしたし、エスカレートしていった。

…それなのに

いつまでたっても
私はこまちちゃんの次だったの。

最初はね、それでもいいと思った。
好きだったから。

一緒にいれるだけで幸せだった。

瞬くんの誕生日
一緒に過ごそうねって約束していたの。

特別な日だから…
一緒にいたかったの。

でも、その日…
瞬くんはこまちちゃんに会ってたの。
約束してたのに。

こまちちゃんは、そうやって
いいトコばっかり持って行くんだ。
なんにも辛い思いしないで…

学祭の日、
瞬くんはこまちちゃんばかり見ていて
こまちちゃんも幸せそうに笑って…

前の晩、私と会ってて泣いてる私を
優しく抱きしめてくれたんだよ?

もう、堪える事が出来なくなったの。

…瞬くんが好きなの
おねがい、こまちちゃん…
瞬くんと別れて。

おねがい…』




奈緒は握りしめた手を胸に当て
苦しそうに切なそうに震える。

奈緒をこんなに傷つけたのは…
アタシなの?


違うよ…奈緒。
あなたをこんなに傷つけたのは
瞬くんなんだよ。

そう思うとアタシの胸も
また、あの鈍く辛い痛みが蘇った。
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