ヌードなアタシ
瞬くんも奈緒も、同じ。
アタシは離れたくなかったのに。
寂しさで胸が締め付けられる。
それは、ずっしり重くのし掛かって
どこかに掴まらないと
よろけてバランスを崩してしまいそう。
奈緒は一途な性格だから
好きになったらどんな行動をとるか
だいたい想像がつく。
素直で明るくて一生懸命で…
積極的だから
自分の気持ちを真っ直ぐにぶつける。
アタシだって
自分の気持ち伝えてた。
でも、そう思ってたのは自分だけ。
瞬くんには伝わっていなかったんだ。
最後に話した時
不安だったって言ってた…瞬くん。
そんな事言ったって…
アタシも不安だったよ。
学校違うから、なかなか会えないし
事務所に入ったばかりだったから
レッスンと仕事で忙しくて
会う時間とれなかったし。
でも、状況は話してたから…
わかってくれてると思ってた。
奈緒に相談なんかしないで
直接アタシに言ってくれたら良かったのに。
よりによって…
なんで奈緒なのよ…
奈緒に瞬くんを会わせたこと
今になって悔やんでいる。
時間が経てば
痛みは癒えるって言ってた。
あと、どのくらい
アタシはじっと痛みに耐えて
過ごさなきゃならないのだろう…
涙で滲んだ目をこすって
アタシは1人見知らぬ街並みを歩いた。