ヌードなアタシ

アタシは小学校の頃太っていた。

家に帰っても
ママは寝ているか、出かけているか…


アタシはテレビをつけ
おやつの袋を開け
寂しさを紛らしていた。


テーブルに置いてある物は
スナック菓子や、菓子パン
調理済みの総菜
(唐揚げとかトンカツとか…)

そんなものばかり食べていた。


一人の時間は、退屈で長くて…

アタシは教科書を眺めたり
図書室から借りた本を読みあさっていた。


寂しい現実も
冴えない自分も

忘れさせてくれる世界に
必死ですがった。





体に合わないサイズの服。

うまく笑えない自分。


友達は出来なかった。

成績は、ずば抜けていたので
面と向かってバカにされる事はなかった。

いじめにもあわなかった。




状況は変わらない。

ますます自分の世界に引きこもる。


頭の中には
どんどん知識が入ってくるのに

心には
何も残らなかった。


からっぽのまま…


< 25 / 346 >

この作品をシェア

pagetop