ヌードなアタシ

7月も中旬になり
騒がしく鳴くセミの声が教室にも響く。

期末テストも終わり
来週には夏休みを迎える。


アタシは学校、事務所、マンション間の行き来を繰り返す毎日を送っている。

奈緒とは、あれっきり。

特に話す機会も無いまま

無視しあう訳でもなく
偶然そばによると
挨拶くらいはし合う距離感でいた。



今日からCMが流れる。



実は、まだ、完成したモノを見ていない。


長沢さんから、
CM録画したとメールが入っていた。


どうでしたか?とメールしたけど
返事が無かったから…

けっこう不安な気持ちで
バスに揺られて事務所にむかっていた。



長沢さんは忙しい人だから。

仕事の合間、返事を打つタイミングが
なかなか無いのかもしれないけど。


ケイちゃんからも連絡無し。

事務所に入ってから、
ケイちゃんは、仕事の件でアタシに
アドバイスとかしなくなった。


ケイちゃん曰く

『私と社長さんから違う事言われると
こまち、戸惑うでしょ?

仕事は社長さんに任せてあるから
私は口をはさまないのよ』


だからって…
きっと見ているはず
感想くらい連絡くれてもいいのに。

もどかしく思いながら
バスを降りて事務所までの道のりを
急ぎ足で歩いた。
< 254 / 346 >

この作品をシェア

pagetop