ヌードなアタシ

『ほんと?』


『うん。
…まぁ、親バカの欲目が若干あったとしても
私はプロよ!
私の言う事に間違いは無いわ』


プロという言葉を発する時のケイちゃんは
自信に満ちて、いさぎよい。

幼い頃からずっと
ケイちゃんから貰った言葉で
アタシは安心して、時には奮起して
自分の進む道を決め歩いてきている。


『ありがとう、うれしいな…』


『あ、こまちスタジオに来たって
大ちゃんに電話したの。
お昼頃、CM見たって
大興奮で電話来てたのよ。

打合せ前にこっちに寄るって。
もぉ忙しいのに…しょうがないヒト』



ケイちゃんは可笑しそうに笑う。

『血の繋がりも無いのに
どう見ても…親バカ、よねぇ』




撮影で髪を切ること
大介さんには話していなかった。

短く切った髪型のアタシをを見て
ものすごく驚き戸惑っていた。

失恋したアタシが
自暴自棄に髪を切ったと思ったらしい。

大介さんに
涙目でガバッと抱きしめられたアタシは
ケイちゃんと大笑いして
撮影のいきさつを話したっけ。


瞬くんの事があって
大介さんは、しばらくションボリしていた。

『大ちゃんが落ち込んでも
しょうがないでしょ』と
ケイちゃんに、なだめられていた。


親バカ…か。

アタシも、ふふっと笑った。

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