ヌードなアタシ

先生は寂しげな顔でうなずき
また、窓に視線を移した。


『今日は?
これから、そのモデルの仕事あるのか?』


『はい。今日はレッスンが入ってます。
歩き方とか姿勢とか
ポーズのレッスンも受けています』


『……なかなか、大変なんだな』


アタシはクスっと笑って答えた。


『はい。お金を頂くんですから。
なかなか大変なんです』


『処分は決まり次第連絡する。
事情は理解したが
私が判断出来る問題では無い』


『はい、わかりました。
あの…いろいろ噂されてるみたいですが
事実は、お話した意外にありません。

芸能人と付き合いがあるなんて
全く嘘ですし
AVの仕事なんてしていません』


『あぁ、わかった』


頭を下げて、
進路指導室を出ようとした時
先生が呼び止めた。


『あ、もう1つだけ…
モデルの仕事を認めないという結果が出たら
桜木、どうするんだ?』


振り向いて
先生の目を真っ直ぐに見つめて答える。


『……残念ですが、
違う高校へ移ります。
モデルの仕事をしなければ
私は大学に進むことが出来ませんので。
…失礼します』


例外は認められない、かぁ…。

モデルをしながら
この高校に通うのは難しいかもしれない。

ドアを閉めながら
アタシは深くため息をついた。
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